2022年3月31日付で金融委員会資本市場調査団内に資本市場特別司法警察捜査部署(「金融委特司警」)が新たに発足しました。2021年12月28日に金融委員会の発表した資本市場特司警の職務範囲および規模の拡大等の内容を盛り込んだ「資本市場特司警改編方案」により金融委員会訓令として「資本市場特別司法警察執務規則」を制定し、金融委特司警を追加で発足させることにより、今後、資本市場不公正取引に対する取締りが一層強化されるものと思われます。

このような金融委特司警の設置等の資本市場特別司法警察の組織・権限の拡大は、法務部の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領当選者の大統領職引受委員会における業務報告にも言及されるなど、今後新政府においても、引き続き推進されるものと見込まれます。

 

1. 資本市場特司警の規模拡大

「資本市場特別司法警察執務規則」によると、資本市場特別司法警察は、金融委員会と金融監督員に各々設置されますが、すでに2019年7月に金融監督院本院に設置されている金融監督委員会特司警の人員が10名から15名へと拡大され、今回新たに発足した金融委の特司警には7名(金融委員会3名、金融監督院4名)を配置しました。また、既存のソウル南部地方検察庁に派遣されている資本市場特司警の人数についても、6名から9名へと増員されました。このような捜査専門担当人材の拡大を通じ、金融当局における資本市場不公正取引事件に対する捜査の力量の強化と活動の増加が予想されます。

 

2. 資本市場特司警の捜査対象および権限の拡大

既存の金融監督員本院に設置されていた特司警は、証券先物委員会委員長の緊急措置(いわゆる「Fast-Track」)により検察に通報があった事件の中から検事が指揮した事件のみを捜査することができました。しかしながら、今回の組織改編に合わせ制定された「資本市場特別司法検察執務規則」によると、資本市場特司警は、『(i)証券先物委員会委員長の緊急措置の事件の内、検事が捜査指揮をとった事件、(ii)証券先物委員会の議決により、検察に告発・通報のあった事件の内、検事が捜査指揮をとった事件、(iii)韓国取引所の異常取引審理結果の通報による調査事件および金融委員会・金融監督員共同調査事件の内、随時転換の必要性がある事件、(iv)金融委特司警において犯罪嫌疑を認知した事件』に対して捜査を開始できるように、その対象が大幅に拡大されました。

ただし、資本市場特司警の無理な捜査開始を防止し、手続き的な正当性を確保するため、金融委員会に捜査審議委員会を設置して事件の緊急性等の捜査開始の必要性についての事前審議を行うものとしました。具体的に「韓国取引所異常取引の審理結果通報による調査事件および金融委員会・金融監督員の共同調査事件のうち、随時転換の必要性がある事件」、「金融委特司警にて犯罪嫌疑を認知した事件」に対する捜査開始の如何は、捜査審議委員会の審議を経なければなりません。

なお、犯罪嫌疑に対する自主的な認知権限を与えたことが、今回の資本市場特司警の組織改編における最も大きな特徴ですが、犯罪認知の主体は、捜査業務の特殊性および国民の法感情等を考慮し、今回新たに発足した金融委所属の特司警に制限しました。

また、「資本市場特別司法警察執務規則」によると、資本市場特司警は、捜査対象者に対する出席要求等の任意捜査の他にも、逮捕および拘束、押収・捜索、金融口座の追跡、通話内訳の照会、出国禁止等の強制捜査の権限を与えられましたが、このような強制捜査権とともに、犯罪嫌疑に対する認知権限を与えられた金融委特司警は、今後資本市場の不公正取引事件に対する捜査を活発に行っていくものと予想されます。

 

※ 世宗には、金融委員会資本市場調査団の調査企画官を歴任した申昊撤、調査担当官を歴任した李義秀、総括チーム長を歴任した黄賢一弁護士らが勤務しており、その他にも金融当局および検察にて資本市場不公正取引事件に関する調査・捜査経験を有する多数の専門家が所属しています。

 

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