2021年6月21日より法人の回生手続の迅速化を目的とするソウル回生法院(裁判所)の実務準則(以下「実務準則」といいます。)改正案(以下「本件改正案」といいます。)が施行されました。本件改正案では、債権調査確定裁判における審問期日の指定および債権調査確定裁判の決定期限等に関する規定が新設されており、本件改正案の施行後に受付がなされる債権調査確定裁判事件より適用される予定となっています。ソウル回生法院の具体的な業務処理は、実務準則に基づいて行われている点で、従来の債権調査確定裁判の実務が大きく変わるものと見込まれます。
1. 本件改正案の主な内容
イ. 債権調査確定裁判の申請日から1ヵ月以内の審問実施が原則
本件改正案では、債権調査確定裁判の申請があった場合、申請が不適法であったり、申請に補完の必要がある場合等を除いては、申請日から1ヵ月以内に債権に対して異議を申し立てた者を審問するものと定めています。
ロ. 回生計画案決議のための関係人集会前までに債権調査確定の決定が原則
また、本件改正案では、債権調査確定裁判の迅速な進行に向け、原則として、回生計画案の決議のための関係人集会期日前までに債権調査確定裁判に対する決定を行うものと定めており、やむを得ない事情により債権申告期間が過ぎた後に申告された回生債権や回生担保権に対する債権調査確定裁判についても、かかる裁判の申請日から3ヵ月以内に決定するものと規定しています。
2. 実務準則改正の背景
債権調査確定裁判とは、目録に記載されたり申告されたりした回生債権および回生担保権について管理人、回生債権者等が異議を申し立てたときに、その回生債権または回生担保権を有している権利者が、その権利の確定を求めるため異議者全員を相手に回生法院に申請する裁判のことです。回生手続を迅速に進めるためには、債権の存否とその範囲が早期確定されなければならないため、債務者回生法は、異議申立てのあった債権に対し、弁論手続ではない簡易かつ迅速な決定手続である債権調査確定裁判手続を通じて、その存否および範囲に関して確定するものとしています。
しかし、このように迅速な債権調査確定裁判の処理が求められているにもかかわらず、従来の法院の実務においては、債権調査確定裁判に対する決定がなされるまで4年から5年以上を要する場合が続出するなど、事件の長期化により利害関係者らの権利関係が確定されないまま、決定が長引くなど深刻な弊害をもたらしており、そのため、債権調査確定裁判に対する決定がなくても弁論手続による債権確定の訴えを提起できるようにしようという立法要求まで生じていました。
このため、ソウル回生法院にて債権調査確定裁判の迅速かつ効率的な処理に向けて実務準則を改正したものです。
3. 実務準則の改正による関連当事者らの対応策
従来は、このように債権調査確定裁判の審問期日が非常に遅れて指定されていた実務を踏まえ、債権者の場合にも異議通知書を受け取ると、一旦、提訴期限の遵守のみを目的として、法律的な検討を行わないまま、形式的な調査確定裁判申請書を提出しておき、審問期日が指定されるまで時間を稼ぎ、審問期日が指定されると、はじめて具体的な法律検討にとりかかり、実質的な準備書面および具体的な証拠資料を提出する方法で業務を行うことが多々ありました。
しかし、本件改正案の施行により、債権調査確定裁判の申請があった日から1ヵ月以内に審問期日が指定される予定であるため、債権者としては、法院からの異議通知書を受け取り次第、できる限り迅速に法律専門家からのアドバイスを受け、実質的な法律検討作業に着手し、重要な法律的主張および具体的な証拠資料を盛り込んだ実質的な申請書ないし準備書面を提出する必要があります。


